2015年10月31日

〜鎌田副代表と笑顔輝く〈治ったさん〉たち〜 その5

座談会
ひたすら学んだ! 実践した! そして、つかんだ新しい人生!
〜鎌田進副代表と笑顔輝く〈治ったさん〉たち〜 その5


♪死にたくなかったから必死!

鎌田 みなさん、セミナーに出て治る道を一歩進めたわけですね。では、セミナーの気づきを、ご自身の実践にどうつないでいったのでしょう。
野中 今でも覚えています。セミナーに参加する前から玄米は食べていたんです、肉はやめて。けど、入門セミナーで、魚だめって言われてショック。砂糖だめで、息が止まりかかった(笑)。これから料理をどう作っていったらいいのかって思って、あとで、どうしてどうしてって、聞きましたしつこく(笑)。でも、今から考えると、どうしてどうしてって聞く裏は、やりたくないから。
鎌田 その通り(笑)。
野中 支部の例会にきている人でも、そういう人がいて、すぐ分かります。でも、あのときたとえば、メイプルシロップをOKにしていたら、未練が残って、僕は甘いものから手を引けなかったと思うんです。例外なしのノーだったからよかった。
鎌田 そうですよね。黒砂糖がだめなら蜂蜜は? 蜂蜜がだめなら、メイプルシロップは?っていうように、甘いものを求めてもきりがない。それは成分がどうのという問題じゃないんですね。甘いものをなんとか摂ろうとする態度が問題。野中さんはその点、徹底されたのですね。
野中 おそらくそれは、僕がこわがりで臆病だから…。以前は死にたいって言ったこともあるけど、急に生きたくなって(笑)。死ぬんじゃないかという恐怖で、命がかかっているから必死。
鎌田 私もそうでしたね、死にたくなかった…。でも、なんでそう思わないの、あんた、死ぬかもしれないのにって、思うときがありますね。余命宣告を受けて死ぬかもしれないからなんとかしたくて、セミナーに来てるんでしょ。なのに自分は当事者じゃないみたいでいる。玄米だってなんだって、まずいからなんてそんなこと言ってる場合じゃない。やっていたら、分かってきてそのうちおいしくなるんですから、とにかくやってみることなんですけどね。
 食事法のなかでも、厳しいのを選ぶ人の方が治ると言う人もいます。それは、やってみようという覚悟があるってこと。それがあれば、心の問題まで踏み込んで、自分で責任とってやっていけるんですね。
竹内 私の場合、反面教師といいますか、兄がやはり前立腺ガンで8年ほどの闘病の末、私のガンが分かる2カ月前に、残念ながら亡くなっています。三大療法をすべてやり、下りのエスカレーターに乗って、食べられなくなって…。近所だったので、そんな姿をつぶさに見てきていて、自分がガンになったとき、うすうす兄と真逆のことをしたらいけるんじゃないかなあって…。兄弟だから、考え方や食べ物も共通点があるわけ、まじめな顔して自分勝手だしね…(笑)。
鎌田 お兄さんの姿が焼き付いていたんですね。
竹内 でね、自分を変えなければだめだと、じゃ、魚大好き、酒大好きですから、まず、一番やりにくいことからやらなくちゃと考えて、次の日、家中の酒を全部捨てました。今は酒は飲みたいとも思わないし、魚も生臭くて一切食べません。
鎌田 一番固執しているものをやめるというのは、行動を変えるのに効果的だと思いますね。
竹内 怖くて、他に選択肢がなかった。それぐらいやらなくてはオレはだめだぞ、これで挫折したらどうしようもないと思ってやり通しましたね。
鎌田 徹底してやるってところから、心の問題につながっていくのだと思います。中途半端だと、甘えが出たり、依存が出たりしますから。
野中 川竹さんが振り子にたとえて「不安は動かないけど、行動が変える」とおっしゃっていますね。精神力で不安をなくすのではなく、一歩一歩行動することが、不安を消していく…。不安がなくなるなんて、4年前には考えられなかったけど、やってみてはじめて、分かりましたね。
鎌田 一つ一つの行動の積み重ねが下支えになり、ある日、ポンと大きな成果になる。それも徹底したからこそですね。
  (つづく)
 (2015年6月、横浜市内にて収録)
『いのちの田圃(たんぼ)』175号、177号より


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