【ウォーキング中のイメージトレーニング】


水津 征洋さん
1998年、肺の小細胞ガンと宣告されるが
動じず、すぐに行動を起こす。
心と身体の改善に徹底的に取り組み、
5カ月後には見事に自助退縮(自然退縮)し、
〈治ったさん〉に。
柳澤 水津さんは、長年、ガン患研の主席研究員として活躍し、ウェラー・ザン・ウェル学会シンポジウムの演目『綴り方』でも、メンバーを温かく見守ってくださった優しい先輩です。
水津さんは、ガンになる前から潜在意識について勉強されていたそうですね。
水津 ある勉強会で学んでいました。潜在意識というのは過去、現在、未来の区別がありません。ですから過去形もしくは完了形で、ものごとが実現したと思う。たとえば、「東京大学に入りたい」、と思ったら駄目。
柳澤 えっ、「入りたい」と思ったら駄目?
水津 そう、もう東大に入った。赤門をくぐろうとして歩いている。よかったなって思うんです。
柳澤 「入りたい」じゃなく、「入った」なんですね。
水津 そうです。それから、五感をすべて使うということですね。
柳澤 水津さんというと、ウォーキング中のイメージトレーニングが有名ですが、ウォーキングを始めてすぐにされていたんですか。
水津 いえ、最初はただ歩くだけ。朝4時半頃から5時半ぐらいまで歩くわけですが、この時間に、なんかできることがないかなと思ったのがやり始めたきっかけですね。
柳澤 実際にどんなイメージをされていましたか。
水津 さっきお話ししたように、過去形、もしくは完了形。というと、「ガンは治ってしまった」ですよね。じゃ、治ってしまったら、どういうことをするんだろうって考えました。当時私は単身赴任をしていましたから、まず、家内に電話するだろう。「おい、治ったゾ!」って。それから、友人や会社の上司や部下にも報告するだろう。それで歩いているうちにその練習をしようと思ったんです。イメージというより、練習です。
柳澤 そういうふうに練習されていて、なにか変化ががありましたか。
水津 やり始めてだいぶ経ってからですが、「もうガンが治りました。迷惑をおかけしました。ありがとうございました」と言うと、友だちが「よかったね。よかったね」と肩を叩いてくれる…そんな情景が見えてきたんです。それでうれしくなって私も「ありがとう、ありがとう」って。
柳澤 そうでしたか…。先輩、ちょっとここで再現をお願いします。
水津 (舞台上を歩きながら、大声で)
康子! もうガンが治ったからな! もう心配することないよ、もう大丈夫だ! 常務、もう治りました! 仕事でいろいろ迷惑をかけましたがもう大丈夫です。ありがとうございました!
(会場から拍手)
柳澤 ありがとうございます。
小林 柳澤さんと二人でいろいろお話を伺ったとき、16年経った今でも鮮明によみがえったのか、水津さんが思わず涙ぐまれて…。当時のイメージトレーニングがどんなものだったか想像するだけで、私たちもウルウルしてしまいました!
世界遺産に認定させていただきます。(拍手)

舞台でウォーキングする水津さん
『いのちの田圃(たんぼ)』171号より